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コミュニケーション能力の低下にかかわる側頭葉を刺激する「隠れワードサーチ」

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コミュニケーション能力にかかわる領域

認知症が進行していく過程でよく見られるのが、次のような症状です。

①会話の聞き取りが難しくなる

認知症の人は、会話を聞き取る速度が健常者の半分程度になります。

②言葉の理解が難しくなる

会話に出てくる単語の意味がわからなくなり、相手の話を理解できなくなります。

③顔の識別が難しくなる

顔見知りった人をほかの誰かと問違えたり、知らないといったりします。

こうしたコミュニケーション能力の低下に深くかかわっているのが、大脳の側面にある「側頭葉」と呼ばれている領域です。

両耳より少し上の位置にある側頭葉は、主に言語・記憶・聴覚を担っており、この領域が衰えると先ほど述べたような症状が現れやすくなります。

また、側頭葉は大脳の中でも特に萎縮しやすい領域です。海外の研究によれば、健康な人でも70代になると20代のときに比べて、側頭葉の面積は2割以上も小さくなり、認知症の人では約4割も萎縮すると報告されています。

同じグループの単語を探す脳トレ

みなさんも次のような経験があれば、側頭葉の衰えが疑われます。

・会話の内容がよくわからないまま、聞き飛ばしていることが増えた。

・自分の話している内容が相手にうまく伝わらないことが多い。

・顔と名前が一致するまで時間がかかるようになった。

・なじみのある物の名称がすぐに思い浮かばない。

こうした自覚症状があれば、側頭葉を活性化する脳のトレーニングとして、「隠れワードサーチ」を試してみてください。この脳トレは、マス目を埋めている文字列の中から同じグループに属する複数の単語を探していきます。

ある問題では世界の国名が含まれており、右上のマス(「カ」)から下に読んでいくと「カンボジア」となり、左方向に読むと「カナダ」になります。

また、左下の「ス」から右斜め上に向かうと「スリランカ」、右隣の「ス」から右方向に読むと「スイス」です。

このように縦・横・斜めの直線で探していくと、合計で9つの国名が見つかり、さらに余った文字を組み合わせると、「ギリシャ」という単語が現れます。

隠れワードサーチは、以上の二段階の手順で問題を解いていきますが、その作業の中で言語の識別と記憶の抽出がくり返されるため、側頭葉を活性化する効果が期待できるのです。

家族や友人と行えば脳はより活性化する

マス目の文字列から単語を探しやすくする秘訣を紹介しましょう。それは発声しながら行うことです。

どこからでもいいので発声しながら縦・横・斜めに文字列を読み上げていくと、目だけで追っていたときは気づか
なかった単語を発見することがあります。

発声によって聴覚を刺激することは側頭葉の活性化にもつながるので、答えに行きづまったときは試してみてください。

さらに、これらの問題をコピーして家族や友人にも渡し、いっしょに解いていくことをおすすめします。

ある介護施設では、多人数で隠れワードサーチを行っていますが、その中で総理大臣や横綱、芸能人などの名前があがると、いつのまにか昔話に花が咲き、認知症の人も記憶を取り戻して会話に加わることがあります。

人とのコミュニケーションは、言語・記憶・聴覚など側頭葉の働きを活性化するだけでなく、脳のさまざまな部位を刺激するのです。

ほかの人とコミュニケーションをはかる道具としても、ぜひこの隠れワードサーチを活用してほしいと思います。

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