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鏡文字の書き取りは脳を活性化し記憶力をアップする

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鏡文字の判読は脳を大いに使う

文字を左右に裏返した文字を「鏡文字」といい、それを鏡に映すと私たちがふだん目にする正しい文字になります。左利きの人は幼児期に自然と鏡文字を書いたり、5、6歳の子供は無意識に鏡文字を書いたりすることがありますが、成長していくにつれて修正されます。

かの有名な芸術家であるレオナルド・ダ・ヴインチは大人になってもノートに鏡文字を書いていたそうですが理由はあいまいで、幼児期の影響という人もいれば暗号説という人もいます。

実は、そうした鏡文字を読み取ったり書き取ったりするのは、脳を活性化するのに非常に役立ちます。

そもそも、私たちの脳は前頭菜・頭頂葉・側頭葉・後頭葉の4つの部位に大別することができます。

前頭葉は、思考ややる気、創刷造力を生み出し、人間らしく生きるために必要な場所。頭頂葉は空間の認識を行い、しかも温度や痛みなどの感覚情報を処理する場所。側頭葉は言語を理解し、記憶力や聞き取り力をつかさどる場所で、後頭葉は色・形などの視覚情報を処理する場所です。

鏡文字を見て、それを頭の中で正しい文字にして理解するというのは、脳の4つの部位をすべて使うことになります。具体的に述べていきましょう。

鏡文字は、ふだん見慣れない文字です。そのため、私たちが鏡文字を見たとき、そ文字がどんな形をしているか(後頭葉を刺激)を立体的にとらえる(頭頂葉を刺激)必要があります。そして、立体的にとらえた形を左右で裏返しにして正しい文字が導き出されますが、そのさい、正しい文字を推測(前頭葉を刺激)したり理解(側頭葉を刺激)したりする必要も出てきます。

そうしたことから、鏡文字をよく見て正しい文字を判読するというのは、脳の4つの部位すべてを使う、すごい脳活性化法になるわけです。

鏡文字の書き取りは記憶力アップに著効

また、鏡文字を書き取り、音読するとさらに脳若返り効果が高まります。

まず、鏡文字を書き取るという行為は、記憶力を著しく高めてくれます。先に述べた側頭葉の深部には、タツノオトシゴのような形状の小さい器官である海馬があります。この海馬は記憶にかかわる要所で、具体的には脳に入ってきたさまざまな情報を一時的に保管する働きがあります。

また、海馬には脳のほかの部位と連携して記憶を蓄えたり、保持された記憶を思い出したりするという働きもあります。

実は、文字を書くとき、この海馬がある側頭葉の血流が大幅にアップすることが確かめられています。側頭葉の血流がアップすれば、海馬も大いに刺激されて記憶力がアップするといって間違いはありません。

一般に、僧侶は認知症になりにくく、高齢になっても記憶力が冴えている、といわれています。これは、経典を書き取る「写経」の効果も深く関係しているでしょう。

写経はもともと、印刷技術がなかった時代に仏法を広めるため、僧侶が経典を書き写したことをいいます。現在は、僧侶の修行として取り入れられている面もあるでしょうが、この写経で側頭葉、ひいては側頭葉の深部の海馬が強く刺激されるため、記憶力がいいのだと考えられます。

鏡文字の書き取りというのは、写経に非常に近い行為です。写経のよさは、難しい漢字を書くこと。鏡文字の場合、簡単な力タカナやひらがなでも、ふだん書きなれない文字なので、書くのに手こずります。そうした意味で、鏡文字の書き取りは写経に似ていて、側頭葉の若返り、ひいては記憶力アップの効果が大きいといえるのです。

音読で前頭葉の機能が著しく向上

次に、言葉を声に出して読む、いわゆる音読は前頭葉の後部にある運動野と頭頂葉の前部にある体性感覚野を鋭く刺激する効果があります。

体性感覚野とは体の各部位から届く情報を受け取る場所で、隣接する運動野がその情報を受け取って、体の各部位に命令を出す場所。体性感覚野と運動野の一連の働きにより、私たちは話したり歩いたり字を書いたりできるわけです。

この体性感覚野や運動野を強く刺激するのに役立つのが、話すこと。人と楽しくおしゃべりするのは、体性感覚野や運動野を強く刺激してくれます。とはいえ、誰かと話をしなくても簡単に体性感覚野や運動野を刺激することができ、それが音読というわけです。

実際に、音読の脳若返り効果についてはいろいろと調べられていて、例えば認知症の高齢者に音読をさせたところ、前頭葉の機能が著しく向上していたことが明らかになっています。

以上のことから、鏡文字を読み、書き取って、音読するということを行えば、脳全域が刺激され、脳は大いに若返るのです。

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