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世界も注目している納豆の脳活性化作用

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血栓溶解作用は8~12時間も持続する

30数年前、米国のシカゴ大学で研究に取り組んでいた、倉敷芸術科学大学教授の須見洋行先生は、ふとした思いつきから納豆のネバネバを調べるようになり、実験を積み重ねるうちにナットウキナーゼという酵素(体内の化学反応を助ける物質)を発見しました。

それ以来、須見先生は、ナットウキナーゼをはじめとする納豆の成分について研究を続けた結果、これらの成分はさまざまな病気に対して優れた予防・改善効果を発揮することがわかったのです。

とりわけ認知症の予防に効果的なのは、血栓を溶かす働きです。認知症の中で約三割を占めている脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血が直接の原因で、血栓が脳の血管につまったり、血管を損傷させたりすることが発端になります。

ナットウキナーゼには、この血栓を溶かして脳の血流を促す働きがあるため、ふだんから納豆を食べるようにすれば、脳血管性認知症の引き金になる脳梗塞や脳出血も予防できると考えられるのです。

実際に、ナットウキナーゼの血栓溶解作用は、ウロキナーゼという脳梗塞や心筋梗塞の治療薬より強力で、しかも納豆を一パック(約50g)とれば血栓溶解作用は8~12時間も持続することがわかっています。

そして、脳梗塞は午前3~4時に多発することを考え合わせると、納豆を夕食時にとっておくのが最も効果的といえるでしょう。

神経伝達物質の材料になる成分も含む

認知症の過半数を占めているアルツハイマー病に対しても、ナットウキナーゼは有望な治療薬になる可能性を秘めています。

アルツハイマー病は、脳の神経細胞に沈着するアミロイドβが原因物質だと考えられていますが、このアミロイドβの分解作用が米国や台湾の研究でナットウキナーゼに認められたからです。

今後、人を対象にした試験でもアミロイドβの分解作用が確認されれば、アルツハイマー病の治療に大きな一石を投じることになるでしょう。

納豆の働きは、それだけではありません。納豆にはレシチンという脂質も含まれており、神経伝達物質(脳の神経細胞の問で情報をやり取りする物質)の一種であるアセチルコリンの材料になります。

アセチルコリンは学習・記憶・睡眠に深くかかわり、アルツハイマー病の人は脳内でアセチルコリンが不足しているといわれています。そこで、アセチルコリンの材料になるレシチンを積極的に補うこともアルツハイマー病の予防に有効と考えられるのです。

レシチンの脳活性化作用は米国の国立精神健康協会によって報告されており、レシチンを多く摂取している人は、そうでない人に比べて記憶力が約25%も向上していたとのことです。

加熱調理をしないで常温のまま食べよう

認知症を防ぐ栄養として、ビタミンB群の一種である葉酸も注目を集めています。アルツハイマー病の特徴の一つに、血液中のホモシステイン(アミノ酸の一種)が高濃度になる高ホモシステイン血症があげられますが、葉酸にはホモシステインを分解する働きがあるのです。

米国の調査でも、葉酸を多く摂取している人はアルツハイマー病の発症リスクが半減すると報告されていることから、ホウレンソウ・ブロッコリー・アスパラガスなどの野菜、鶏・牛・豚のレバー、それに納豆といった葉酸の多い食品を日ごろからとるようにしましょう。納豆の場合、一パックで葉酸が一日の摂取推奨量の約半分を補えます。

また、ナットウキナーゼをはじめとする納豆の有効成分は熱に弱く、高温で調理すると壊れやすいので、納豆ご飯や納豆巻き、マグロ納豆など常温で調理して食べることをおすすめします。

なお、抗血栓薬のワーフアリンを服用している人は、納豆に含まれているビタミンKによって薬の効果が弱まりやすいので、納豆を食べるのは控えてください。

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