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日常生活では気づきにくい認知力の低下を早期発見する「認知カチェックキット」

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認知力の低下に早く気づける

中高年世代にとって、記憶力や判断力といった認知力の低下に対する不安は、とても大きなものでしょう。一度でもそうした不安を抱くと、疑心暗鬼になって、ちょっとした物忘れの一つひとつが、認知症の片鱗や予兆に思えてしかたがなく、心が休まりません。

だからといって、物忘れのたびに病医院にかかるというわけにもいかないでしょう。しかも、認知力の低下は人格に関わる問題なので、受診するのが恥ずかしい。あるいは、現実を突きつけられたくないと思う人も多くいます。また、そうした思いから認知力の低下している可能性の高い家族が受診を拒むのでは、説得が大変です。

認知力の低下は、日常生活で気づきにくいため、早期発見が大切です。早期発見ができれば、悪化が抑えられる可能性も高くなります。反対に、発見が遅れるほど認知力は低下していき、ときには本格的な認知症に結びつく恐れさえあるのです。

そこで紹介するのが、自宅で簡単に認知力の低下の可能性を知ることができる「認知カチェックキット」です。

認知カチェックキットは、においがついた複数枚の力-ドを利用して、認知力低下の可能性を判断するための新開発のキットです。

認知力の低下はまず嗅覚に現れる

認知カチェックキットの最大の特徴は、認知力が低下すると、すぐに嗅覚が鈍ることに着目している点にあります。

実は、人問の五感の中で嗅覚だけは、ほかの感覚と違う経路をたどって脳に情報を伝えます。ほかの四つの感覚は、脳にある視床下部を経由して大脳皮質にますが、嗅覚は海馬や扁桃体といった感情をつかさどる脳の一部と直接つながっているので、脳の衰えの予兆は嗅覚にまっ先に現れるのです。

実際に、認知症のうちの大半を占めるアルツハイマー病は、症状が目立たないうちから嗅覚異常の現れることが、米国ラッシュ大学医療センターのロバート・ウィルソン博士の研究で知られています。

昭和大学医学部では、この現象に注目し、2010年に、鳥取大学の浦上克哉教授とともに「特定のにおいが認知症の早期発見に役立つのではないか」と考え、試験を行いました。

試験は、早期のアルツハイマー病と診断された平均80歳の患者さん33人に、12種類のにおいを判別してもらうというものです。その結果、33人中28人の認知症の患者さんに嗅覚異常が見つかり、試験の有意性が確認されました。

また、嗅覚に異常のある人は健常者に比べて約4・5倍も認知症になりやすいというラッシュ大学医療センターの統計もあります。このことから昭和大学医学部では、嗅覚を調べれば、認知力低下の予兆をキャッチしたり、早期発見したりすることに役立つのではないかと考えました。

そして研究を積み重ねて作り上げたのが、この認知カチェックキットです。

約10日で認知力低下のリスクがわかる

認知カチェックキットは、ADAS(認知機能検査)との相関から認知力と関係が深いにおいをかいで、なんのにおいか当てられるかどうかを試し、その結果から認知力低下のリスクを判断するキットです。

においは、同封のカード(10枚)に閉じ込められており、指でこすると立ち上って鼻に届きます。カードには、答えとなる選択肢も記述されており、書かれているにおいは、カードごとに「草木のにおい」や「腐臭や硫黄のにおい」など、同系統のにおいでまとめられています。

これだと思うにおいを別紙の解答用紙に記入して、同封の封筒に入れて送ります。結果が返送されるのは約10日後です。

どの系統のにおいに正解したり間違えたりしているのかを分析し、認知力低下のリスクを算定します。

なお、認知カチェックキットはあくまで認知機能の低下リスクを判断するためのキットであり、決して認知症かどうかを診断するものではありません。

認知力の低下が心配で、早期のリスク測定をして安心や用心をしたいと思う人だけでなく、認知力の低下している可能性が高いのに病院へ行きたがらないご家族を説得するための判断材料を求めている人にも、おすすめです。

日常生活では気づきにくい認知力の低下を早期発見する一助として、認知カチェックキットを活用してみてはいかがでしょうか。

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