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音読の効果を活用した脳トレ「パワー音読」で脳を活性化

投稿日:6月 7, 2017 更新日:

 

言葉の獲得によって人間の脳は発達した

私たち人間が、進化の過程でチンパンジーなどの類人猿から分かれて、脳の発達を遂げることができたのはなぜでしょうか。その最大の理由は、言語を獲得したことにあります。

言語を使ってコミュニケーションを取ることは、人を人たらしめている最大の特徴です。言語の中には文字の使用も含まれていますが、脳の進化で決定的な役割を果たしたのは、ロを使って発声する話し言葉です。

類人猿と異なるのは、人間の喉頭(のどぼとけと呼ばれている部位)が下がっており、その上の空間(咽頭)は広くなっていることです。こうした特徴的な器官を持つことで私たちの舌は自由に動き、音を共鳴させながら多様な音声を使い分けられるようになりました。

そして、言葉を獲得した人間は、集団の中でコミユ:ケーションを密接に取ることで情報量を増やし、脳を急激に発達させたのです。

このように、全身の器官の中でも口と脳は特別な関係を築きながら発達し、大脳皮質の体性感覚野・運動野と呼ばれている領域にも、口と脳の関係がはっきりと現れています。

口に関係する部位が脳の広範囲を占める

体の各部位から届く情報は、大脳皮質の体性感覚野に集まります。さらに、その情報をもとにして、隣接する運動野が体の各部位に命令を出すことで、話したり、食べたり、手足や顔面を動かしたりできるのです。

体性感覚野と運動野が、それぞれ体のどの部位を支配しているのかを表したのが「ペンフィールドの脳地図」です。これは、カナダの脳外科医のペンフィールドが作ったもので、体性感覚野と運動野を電気刺激しながら脳と体の対応関係を調べました。

また、大脳皮質の表面積の比率に合わせて人体の各部位の大きさを対応させたのが「ホムンクルス(小人)の図」です。

これらの図を見ると、手指とともに、唇や舌などが異常なほど大きく描かれており、ロを支配する大脳皮質の領域が、いかに広いかがわかります。

「音読」による脳の活性化作用が注目されている

ある研究によれば、体性感覚野に届く情報量は、足からが25%、手からが25%、ロからが50%を占めていると報告されています。つまり、唇や舌、あご、のどを積極的に使うことは、大脳皮質を効率よく刺激して脳の血流を促すことにもつながるのです。

以前から認知症の予防法として、手指を積梅的に動かすことがすすめられており、実際に指先をよく動かしている人ほど認知症になりにくいことも確認されています。

それと同様に、話す・かむ・笑うといった口の動きを増やすことも、脳の活性化に効果的です。とりわけ、近年の脳研究では、「音読」による脳の活性化作用が注目を集めており、多くの研究者が認知症の予防・改善効果を報告しています。

目・口・耳を使う音読が脳を活性化

音読とは、文章を声に出して読むことです。音読をすると大脳の広範囲が刺激を受けて、特に前頭前野と呼ばれる領域で血流が大幅に促されることもわかっています。

額の後ろにある前頭前野は、思考力・記憶力・集中力・判断力などをつかさどる脳の司令塔ともいえる重要な領域で、感情や行動における人間らしさも統制しています。

ところが、日ごろから人との会話が少ない、文章を読んだり書いたりすることもほとんどない、何かを熟考する機会もめっきり減っている、といった生活を続けていると、前頭前野の血流は低下したままになり、認知症を発症しやすくなるのです。

もともと人間の脳は、外部から受けた刺激に反応するというしくみで働いています。音読の場合は、目で文字を見る、口で文字を声にする、耳でその声を聞いて振動を感じるといった五感にかかわる刺激が生じます。これらの刺激に対して前頭前野や体性感覚野、運動野など、脳のさまざまな領域が反応を示して活性化するのです。

ここでは、こうした音読の効果を活用した脳トレーニングのドリル「パワー音読」を紹介します。パワー音読のやり方はいくつかありますが、次の記事では手始めに、早口言葉を使ったパワー音読のやり方と、その脳活性化作用についてくわしく説明しましょう。

早口言葉は、いつでもどこでも一人で取り組める脳トレーニングです。気らくに試してみてください。

→早口言葉が脳を効率よく刺激するトレーニングになる

→脳全体を活性化して、物忘れを防止する「リズム音読」

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