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音楽療法で心身がリラックスすれば、目の健康維持に役立ち、脳の活性化にもつながる

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ハーバード大学で音楽療法を知った

脳を活性化させる高周波音(高い音域の音)を聴く音楽療法は、物忘れやウツ、ストレス過多などの解消に有効であることがわかり、世界中で研究が進んでいます。

埼玉県大宮市にある葉山眼科クリニックでは、目の病気に悩む患者さんに音楽療法をすすめており、院長の葉山隆一先生は、病状の改善に確かな手ごたえを感じています。

みなさんは、眼科医の葉山先生が、音楽療法を目の病気の治療に役立てていることに疑問を持つかもしれません。しかし、目の異常を訴える患者さんを問診してみると、物忘れやウツ、ストレス過多を伴っている場合が非常に多いのです。

葉山先生が音楽療法に関心を抱いたのは、米国のハーバード大学に留学したときでした。ハーバード大学では、眼科医が脳や聴覚器についての研修を受けるのは当然のことで、その中に音楽療法も含まれていたのです。

そして、帰国して眼科クリニックを開業した葉山先生は、音楽家の傳田文夫さんが考案した特殊加工の高周波音を聴く音楽療法のことを知り、内科医と共同で研究を行ったところ、音楽療法には、さまざまな健康効果が認められたのです。

高周波音を聴いたら癒しの脳波を検出

まず、音楽療法で特殊加工された高周波音を聴くと、目や脳への血流が促されることがわかりました。試験では、
30~65歳の男女7人の協力を得て、首の左右を通る頸動脈の血流量を特殊な機器で計測し、音楽療法を行う前後で、どのような変化が現れたかを調べたのです。

頸動脈は頭部に向かって枝分かれしていき、脳に血液を送る脳動脈と目に血液を送る眼動脈になります。つまり、頸動脈の血流量が増えていれば、脳や目への血流の促されたことが確認できるわけです。

そして、試験の結果、音楽療法のあとでは、七人全員の頸動脈の血流が増加していて、中には血流量が5割アップした人もいました。

さらに葉山先生たちは、音楽療法が脳波(脳の活動によって引き起こされる電位変動の波形)に与える影響も調べました。

高周波音を聴いたら癒しの脳波を検出

ストレス社会に生きる現代人は、気分がくつろいだときに出るα波が少なく、イライラしているときに出るβ波が多いという脳波の乱れた状態に陥りがちです。しかし、音楽療法を行ったあとでは、α波が大幅に増えていたのです。

α波が増えて脳波の乱れを解消できれば、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)のうち、心身を休ませる副交感神経が優位になります。副交感神経には心拍数を少なくしたり、血圧を下げたり、発汗を減らしたりする働きがあり、その結果として深いリラックス感が得られるのです。

こうして副交感神経が優位になれば、乱れていた自律神経の働きが正されるとともに、脳が癒されるので認知力や思考力、集中力、記憶力の向上につながると考えられるのです。

難治の黄斑変性症の治療にも活用

それだけではありません。音楽療法は目の病気の予防改善にも役立つのです。実際に葉山先生は、網膜の病気の一つである黄斑変性症の治療にも音楽療法を活用しています。

黄斑変性症とは、網膜の中心にある黄斑部という直径0.2mmほどのくぼみ部分に異常が起こる病気です。初期には視界の中心部がぼやけたり、物がゆがんで見えたりします。

病気がさらに進行すると、視力が急速に低下し、視野全体で物がぼやけて見えたり、視界の中心部がすっぽりと欠
けてしまったりして、最悪の場合は失明にいたります。残念ながら、黄斑変性症には決め手となる治療法がありません。

視力の向上や緑内障の予防に対しても有効

そこで葉山先生は、黄斑変性症の患者さんに、通常の治療に加えて、ルテイン(緑黄色野菜に含まれる色素の一種)という栄養補助食品の補給と、音楽療法をすすめています。すると、黄斑変性症が改善の兆しを見せるまでの期間が、通常の治療のみのときと比べて大幅に短縮されたのです。

葉山先生は、黄斑変性症のすべての患者さんに、網膜の厚さを測るOCT(光干渉断層計)という機器で、黄斑部がどのように変化したかを定期的に調べています。ルテインを摂取して音楽療法を受けてもらうと、凸凹になっていた黄斑部の変性が改善して、正常に近づくことが確認できました。

この黄班変性症の成果以外にも、視力の向上や緑内障の予防に対しても、音楽療法は有効であると考えられます。

音楽療法で心身がリラックスすれば、個人差はありますが、目の健康維持に役立ち、脳の活性化にもつながるでしょう。

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